コンサルタントは他の仕事と比べて、スキルアップのスピードが圧倒的に速いと言われています。
では、具体的にコンサルタントはどんなスキルが身についていくのでしょうか。
また、より良いコンサルタントとして活躍していくためには、どんなスキルを身につけるべきなのでしょうか。
この記事では、コンサルタントのスキルアップについて、詳しく解説していきます。
目次
コンサルタントにスキルアップは必要不可欠
コンサルタントの仕事は、クライアントの課題解決という答えのない問いに対しての最適解を探していくものです。
日進月歩で世の中は変化し続けているため、その時々に応じて求められるベストな選択は異なります。
つまり、昨日正しかったことが今日正しいとは限らないのです。
そのため、コンサルタントはクライアントからコンサルティング料を支払ってもらっているという対価として、また会社から給料をもらっている対価として、常にスキルアップを図っていかなければならないのです。
また、外資系コンサルティングファームなどでは、通年で中途採用を積極的に行っています。
その影響もあり、人材の新陳代謝は非常に活発です。
スキルアップを怠り、結果の出せないコンサルタントになってしまえば、突然解雇を言い渡されることもある厳しい世界です。
コンサルタントは、自分自身のためにも、クライアントのためにも、そして社会のためにも常にスキルアップを図っていかなければなりません。
コンサルタントの仕事に必要な8つのスキル
コンサルタントの仕事は非常に難易度が高いものです。
そのため、自らが何か特別な努力をしなくとも、実際の仕事を通じて自然と必要なスキルは身についていきます。
ただ、逆を言えばこれからご紹介するスキルが身についていないと普段の仕事すらままならず常に仕事に追われる状態となります。
具体的にどのようなスキルが身につけなくてはいけないのか、全部で8つのスキルについて、紹介していきます。
論理的思考力
コンサルタントは常に論理的に物事を考えなければなりません。
コンサルタントの決断や提案は、クライアント企業の業績や将来を大きく左右するものになるためです。
何か提案をする際には、論理的で筋が通ったものでなければ、一切聞き入れてもらえないでしょう。
半ば論理的に思考することを強制されているようなものです。
英語圏で生活すれば、自然と英語を話すことができるようになるのと同じように、コンサルタントとして仕事をしていれば、飛躍的に論理的思考力は高まります。
この論理的思考力の高さはビジネススキルの根幹をなすため、転職する際にも非常に高く評価される能力です。
関連記事:できる戦略系コンサルタントのロジカルシンキングとは【ビジネスに必須の考え方】
幅広い視野
コンサルティング会社には、様々な価値観や知見を持った仲間が一緒に働いています。
その仲間と日々接することで、今まで自分が知らなかった世界を知ったり、新たな考え方に触れることができたりするため、自ずと視野は広がっていきます。
また、コンサルタントは答えのない問いの最適解を探していくことが仕事であるため、自分が正しいと思っていることに対して、反対意見を述べられるケースも少なくありません。
そういった意見にも耳を傾け、ベースとなる自分の考え方に肉付けをしていくことで、自分自身の意見をよりブラッシュアップしていくこともできます。
さらに、自分自身が担当する案件についての見識だけ深めておけばいいということはなく、担当外の知見についても理解を深めなければなりません。
そのため、担当案件だけではなく、プロジェクト全体や会社全体、さらには社会全体を俯瞰してみることができる視点を得ることができます。
マネジメント力
コンサルタントとして身につくマネジメント力には、3つの種類があります。
- セルフマネジメント力
- プロジェクトマネジメント力
- チームマネジメント力
1つ目のセルフマネジメント力は、自分自身をうまくマネジメントする力です。
コンサルティングファームは良くも悪くも「個人主義」であるのが一般的です。
そのため、健康管理といった基礎的なことはもちろん、自分の集中力が最も高い時間に知的作業を行うといったような自分自身の仕事を管理することも求められます。
2つ目のプロジェクトマネジメント力は、自分が担当する案件をうまくマネジメントする力です。
コンサルタントの仕事は、納期までの間に、限られた人的リソース、限られた時間を使って仕上げる必要があります。
当然、行き当たりばったりのやり方ではうまくいきません。
そのため、事前にしっかりと段取りを組んだうえで、プロジェクトを実行していくことが大切です。
「仕事は段取りで8割が決まる」とも言われています。
その段取り力は、コンサルタントの仕事を通じて自然と身についていきます。
3つ目のチームマネジメント力は、一定以上昇進をして、管理する立場になった人に身につく力です。
管理職の立場になると、自分自身で成果を上げるだけではなく、チーム全体として、また会社全体として最も成果が出る方法を常に考えなければなりません。
コンサルティングファームには3年以上勤めると、小さなチームのマネジメントを任されるケースもあります。
そのため、このチームマネジメント力も比較的若い段階から身に着けることができるのです。
コミットメント力
コミットメント力とは、日本語にすると「最後までやりきる力」という意味です。
やや精神論的に聞こえるかもしれませんが、最後まで粘り切れない人も多い中で、このコミットメント力はビジネスパーソンとして非常に重要です。
コンサルタントは、クライアントの様々な要望に応えつつ、そのプロジェクトが成果を出すまで自分の責任でコミットし続けます。
もちろん、途中でやり方を修正しなければならない時もありますが、「成果を出す」という責任から逃げることはできません。
特に外資系コンサルティングファームの場合には、成果を出せなければ自分自身のクビが飛ぶ可能性もあるため、必然的にクライアントのことを自分ごとと考えるようになります。
コンサルタントは、自然と何事からも逃げない、困難に立ち向かうことができるコミットメント力が身につくのです。
事務処理能力
コンサルタントの仕事は基本激務です。
特に納期前などの繁忙期などは、月間の残業時間が100時間を超えるようなことも少なくありません。
それだけ忙しい状況下であっても、クライアントと定めた納期は必ず守る必要があります。
こういった激務の中でも、効率的に仕事を片付けなければならないので、自然と事務処理能力は向上します。
多くのコンサルタントが様々な会社に転職をしても、総じて「無駄がない」と評価されるほどです。
この効率のよさも、激務というコンサルタントの職場環境があって、必然的に身につくものです。
まずは無駄な時間を排除するために、身の回りの整頓、書類の整理、PCのショートカットキーのマスターなど、簡単にできることから始めていきましょう。
情報処理能力
コンサルタントとしてクライアントの課題の解決策を練るために、最初にすべきことは多様なチャネルからの情報を集めることです。
特に自分が経験のない分野でのプロジェクトにアサインされた場合には、より一層情報収集に力を注がなければなりません。
その上で、集めた情報を整理、分析し、解決策を導き出していきます。
この情報を処理する過程において、最も重要なのが、情報を収集するという過程です。
世の中には様々な情報が出回っており、中には嘘の情報が紛れていることも少なくありません。
コンサルタントは、まず正確な情報だけを集める必要があります。
不正確な情報を集めてしまうと、それ以降の情報処理の過程がすべて無駄になってしまうためです。
そのため、コンサルタントとして仕事をしていると、情報に対する目利きが良くなります。
さらに、情報の整理や分析といった作業も日常的に行っているため、自然と情報を処理する能力は向上していきます。
関連記事:コンサルタントのフレームワーク【ビジネスができる思考法】
営業力(ドキュメンテーション能力・プレゼンテーション能力)
コンサルタントが上司やクライアントに提案する際には、資料を作成したり、それに基づいて説明したりする能力は欠かせません。
「資料を作成する能力」→ドキュメンテーション能力
「説明する能力」→プレゼンテーション能力
と言います。
この2つの能力は、コンサルタントに必要な営業力の根幹をなしています。
特にドキュメンテーション能力は非常に重要です。
資料は、その場にいなかった人間にも提案の内容を伝えることができるためです。
そのため、できるだけ口頭での説明が不要で、なおかつ簡潔で分かりやすい資料作りが求められます。
コンサルタントには資料を作る機会は何度もありますので、繰り返す中で必然的にドキュメンテーション能力は高まっていくでしょう。
関連記事:戦略系コンサルタントのパワーポイントスキル【プレゼン資料の作成の実例紹介】
さらに、下記で紹介するコミュニケーション能力を身に着けることで、営業力をより高めていくことができます。
コミュニケーション能力
どの仕事でもそうですが、コンサルタントの仕事においては、コミュニケーション能力が非常に重要です。
どれだけ優れたアイディアがあるとしても、それを上司やクライアントに認めてもらえなければ、実行に移すことができないためです。
上司もクライアントも機械ではなく人間ですので、「誰が話しているのか」によって受け取り方は大きく異なります。
やる気がなく気難しそうなコンサルタントの提案する優れたアイディアと、熱意があり明るいコンサルタントの提案する凡庸なアイディアならば、後者の方が採用される可能性が高くなります。
それだけ、コミュニケーション能力には人の心を動かす力があるのです。
コミュニケーション能力の高い人物は、転職市場においても非常に高い市場価値を獲得することができます。
コンサルタントとしての価値を高めるために身に着けたいスキル
上記で紹介した8つのスキルは、コンサルタントとして前提条件として身に着けておくべきスキルです。
しかし、より人材価値のあるコンサルタントになるためには、身に着けておきたいスキルがあります。
これからコンサルタントに就職したいと考えている人も、身に着けていると選考で有利になる能力なので、参考にしてみてください。
外国語能力
近年は外資系のコンサルティングファームが日本に進出したり、日系のコンサルティングファームが海外にも事業所を積極的に設けたりしています。
さらに、国内にしか拠点を持たないコンサルティングファームでも、クライアント企業が外資系企業だったり、英字で情報を収集しなければならなかったりすることもあります。
そのため、コンサルタントにとって外国語を話せることは、最低条件にもなりつつあるのが現状です。
もし、まだ日本語しか話せないのであれば、まずは英語をビジネスレベルで身に着けておきたいところです。
そのほか、中国語やスペイン語など、汎用性の高い外国語は身に着けておいて損はありません。
この先、中途採用でコンサルティングファームへの就職を目指す場合には、一定レベルの外国語力が応募の最低条件となっていることもあります。
ITスキル
近年のITの発達により、ITの市場規模は日に日に大きくなっています。
コンサルティングファームとしても、IT関係の案件も増えてきているため、長い目で見てコンサルタントとして活躍するためには、ITの知識やスキルは不可欠とも言えるでしょう。
ITスキルの習得方法が分からない、という方には資格の取得がおすすめです。
IT関連の資格には
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者
などがあります。
また、VBAやJava、Pythonなどのプログラミングを習得するのも良いでしょう。
この先の時代において、ITに強い人材の市場価値は、確実に高くなっていきます。
体力(健康)
この記事の途中でも述べたように、コンサルタントの仕事は激務です。
そのため、体力がなければなかなか務まるものではありません。
実際に、コンサルティングファームで活躍している人には、多くの体育会出身者がいます。
しかし、体力とは何も「どれだけ長時間仕事ができるか」という能力ではありません。
それ以上に重要なのが、どれだけ早く回復できるかという能力です。
コンサルタントはなかなか休みが取れない中でも、すぐに仕事の時間がやってきて、集中して作業しなければならなくなります。
そのため、できるだけ早くハイパフォーマンスに戻れるという回復力が非常に重要なのです。
適切な食事、運動なども含めて、常に高いパフォーマンスを発揮できるような回復力を身に着けましょう。
専門性
コンサルタントは、特に自分が担当する案件については、高い専門性を持っておくことが求められます。
どんなプロジェクトにアサインされるかは、就職してみなければ分からないケースも多いので、日ごろの仕事はもちろん、業務外でも勉強に励み、専門性を深めていくことが大切です。
特定の業界についての専門性を身に着けておくことで、その道のプロフェッショナルになるというキャリアパスの選択肢も生まれてきます。
コンサルタントは常にスキルアップを意識しよう
現状維持で満足しているコンサルタントは、遅かれ早かれ不要と判断されてしまいます。
そのため、業務の内外を通じて常にスキルアップを図る姿勢が大切です。
スキルアップを図る方法には様々なものがありますが、おすすめなのはセミナーへの参加です。
セミナーに参加すれば、現在、そして未来のコンサルタントに求められる能力に特化して、スキルアップを図ることができます。
また、参加するコンサルタントとの人脈が築けるのも大きなメリットです。
コンサルタントとして、どんどん価値を高めていきたいと考えている方は、セミナーの参加も検討してみてください。
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