コンサルタントとしてキャリアを重ねてきて、さらなるキャリアアップを目指して転職を考える時に候補として上げられる会社はどこでしょうか?
「モニターデロイト」という名前をあげる方も最近では増えています。
モニターデロイトは、ハーバード・ビジネス・スクールの教授陣が1983年に設立した戦略コンサルティングファームであるモニター・グループがその前身です。
2013年1月に世界最大の会計事務所であるデロイト トウシュ トーマ(Deloitte)により統合され、以降はデロイト・トーマツ・コンサルティングにて「モニターデロイト」として世界20ヵ国で戦略コンサルティングを展開しています。
日本のデロイト・トーマツ・コンサルティングにおいても、2018年6月20日から「モニターデロイト」ブランドにて戦略コンサルティングサービスの提供を開始しました。
目次
モニターデロイトはどんな会社?(企業情報)
モニターデロイトは、デロイト・トーマツ・コンサルティング合同会社における、戦略コンサルティングのブランド名です。
以下、デロイト・トーマツ・コンサルティングの内容について解説していきます。
社名 | デロイト・トーマツ・コンサルティング合同会社(モニターデロイト) |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内3-2-3 丸の内二重橋ビルディング |
代表者 | 代表執行役社長 宋修永 |
設立 | 1993年4月 |
資本金 | 500,000,000円 |
売上 | 非公開 |
従業員 | 3,183人 |
事業内容 |
|
職種と仕事内容
デロイト・トーマツ・コンサルティングにおける職種は多岐にわたっており、中途採用として募集している職種だけでも複数の種類があります。
採用ポジションとして用意されている一例としては
- テクノロジー戦略コンサルタント
- システム&クラウドエンジニアリングコンサルタント
- アナリティクス&コグニティブコンサルタント
- SAPコンサルタント/SAPエンジニア
- カスタマー&マーケティングテクノロジーコンサルタント
- マーケティング&カスタマーエクスペリエンスユニット
- イノベーション / ビジネスプロデュース
の7職種があります。
モニターデロイトは、デロイト・トーマツ・コンサルティングにて旧来より戦略コンサルティングサービスを実行してきた部門を中心とし、他にもデロイト内のグループの専門家が加わることで、モニターデロイトとしてスタートしました。
企業変革のパートナーとして、グループ全体で包括的なバックアップを提供し、次世代層の育成まで貢献する、全く新しいタイプの戦略コンサルティングを提供しています。
従業員の平均年齢
デロイト・トーマツ・コンサルティングの平均勤続年数は5年〜10年。
モニターデロイトは2018年に開始したばかりですが、デロイト・トーマツ・コンサルティングとほぼ同じと考えても良いでしょう。
したがって、従業員の平均年齢は28歳〜35歳前後ということになります。
ただし、中途採用を行っているため、想定される平均年齢はあくまでも「想定」の平均値だということは考慮しておく必要があります。
労働環境
モニターデロイトの福利厚生はデロイト・トーマツ・コンサルティングと同じです。代表的なものとして以下のものがあります。
例としては、
- 財形貯蓄制度
- カフェテリアプラン
- 保養施設利用補助
- クラブ活動
などがあります。
プロジェクトにもよりますが、労働環境は総じて良好です。プロジェクトの締め切りなどが迫っていない限りはほとんどの場合18時前後で退勤可能。その後社員同士でクラブ活動などを行うこともあります。
ただし案件によっては資料作成や打ち合わせが夜遅くまで行われることもあります。その意味ではメリハリのある労働環境だと言えるでしょう。
年収レベルも他業種より高く、手応えの多い仕事を行える。そしてワーク・ライフ・バランスも取れているというのがモニターデロイトの最大の魅力です。
英語は必要?
モニターデロイトへの転職に際して、英語は必須であると言っても過言ではありません。
というのも、モニター デロイトは、デロイト・トーマツ・コンサルティング内でも国際的なプロジェクトの割合が非常に多いこと、さらにメンバーの約3割以上が外国籍のメンバーで構成されていますので、英語ができない場合は、日常業務に支障が生じてしまいます。
日常的な会話やビジネス英語のレベルはTOEICだけは測れませんが、一般的なビジネスレベルの英語力をTOEICスコアで判断すると最低でも700点〜800点程度だと言われています。
モニターデロイトに中途採用で入社を希望する場合は、最低でもTOEIC700点以上として取得しておく必要があるでしょう。
モニター デロイトの平均年収
外資系コンサルティングファームの多くがそうであるように、デロイト・トーマツ・コンサルティングの年収も日本企業と比較して高めに設定されており、全社員の平均年収としては930万円です。
モニター デロイトもデロイト・トーマツ・コンサルティングと同水準と考えて良いでしょう。
中途採用の場合は平均年俸620万〜1,200万円という枠が設定されていますので、中途採用であっても一般的な日本企業の平均年収を上回る金額であることがわかります。
また、社員の離職を防止するために競合他社の平均年収などを調査し、同等の年収レベルに調整する動きを取っていますので他社との年収面での差があまりありません。
通常の基本給に加えて業績に連動したインセンティブも支給されます。
モニターデロイトの求人情報
モニターデロイトは、デロイトトーマツグループの中でも戦略コンサルティングに特化したチームのブランド名であり、会社ではありません。
採用はモニターデロイトとしではなく、デロイト・トーマツ・コンサルティングにて行っていますので、デロイト・トーマツ・コンサルティングの求人情報について見ていきましょう。公開求人から、採用大学実績、採用人数まで幅広く解説します。
公開求人はある?
デロイト・トーマツ・コンサルティングの公式サイトでは下記のように採用ポジションを公開しています(※募集職種は一定ではありません)。
- テクノロジー戦略コンサルタント
- システム&クラウドエンジニアリングコンサルタント
- アナリティクス&コグニティブコンサルタント
- SAPコンサルタント/SAPエンジニア
- カスタマー&マーケティングテクノロジーコンサルタント
- マーケティング&カスタマーエクスペリエンスユニット
- イノベーション / ビジネスプロデュース
詳細な就労条件や、デロイト・トーマツ・コンサルティングに入社しても、モニターデロイトにアサインされるかどうかなどは公開されていないため、細かい条件は実際に応募して、面接の際に確認するしかありません。
採用大学実績
デロイト・トーマツ・コンサルティングにおける採用は、東大、京大、東工大、早稲田、慶應などのいわゆる上位大学の出身者が多いですが、早稲田や慶應以外の上位私立大からの入社実績もあります。
デロイト・トーマツ・コンサルティングでは、学部や文系・理系などの振り分けは特にしていないと言われており、基本的には応募者の能力ベースによる採用活動を行っているようです。
採用人数
デロイト・トーマツ・コンサルティングの新卒採用人数は例年70〜100名程度です。採用年度にもよりますので一律ではありません。
中途採用の人数は明確には決まっておらず、部門やプロジェクトごとの欠員状況や新規プロジェクトの必要人数などに応じて若干名の採用計画が組まれます。
一般的に、中途採用は大量に採用を行うことは多くありません。
ピンポイントで必要な能力を持つ人材を探しているケースがほとんどなので、非常に狭き門です。
モニターデロイト入社はどんな面接をするの?
デロイト・トーマツ・コンサルティングでは、入社にあたってどのような試験や面接を行うのでしょうか?
順番に見ていきましょう。
【一次面接】一般面接
デロイト・トーマツ・コンサルティングの一次面接では、提出した履歴書や職務経歴書の内容に基づいて一般的な質問がされます。
これまでの職務経験の中で特に成果を上げたことや、そのためにどのような努力をしてきたかなど、ビジネスパーソンとしてどのような資質を持つ人物かを探る内容の面接が行われます。
具体的な質問例としては、
- 自己PR
- 自身の長所や短所
- 過去の職務経験の中で特に成果を上げたこと
- 成果を上げるためにどのような努力をしたのか
があります。
もちろん、毎回同じ内容の面接になることは考えられませんが、一つの例としてこういった面接内容は参考になります。
外資系コンサルの面接で過去どのような面接が行われたかの過去問集のような書籍も販売されていますので、それらを参考に準備をするのも効果的です。
【二次面接】ケース面接
二次面接になると、コンサルタントとしての資質をより深く見極める意図でケース面接が行われます。
例えば、新聞記事を使ったケース面接の場合は、記事の読み込みと回答作成を行った後で実際にコンサルタントとディスカッションをすることもあります。
回答はA4用紙に形式事由でまとめることになるため、他人が見ても理解しやすくまとめる能力も見られることになります。
ここでコンサルタントとしての事務処理能力を分析されるのです。
また、ディスカッション形式であるということは、回答内容に対する質問が論理的に繰り出されることになります。
例えば、
- 記事の内容について賛成か反対か。
- メリット・デメリットについての説明。
- 賛成の場合、デメリット解消のための施策はあるか。
- 反対の場合は代替案として何が考えられるか
など実際的な質問をされます。
面接官は現役のコンサルタントです。知識の競争をしても意味がないので、面接内容についてコンサルタントとディスカッションしていくような心構えでいるのが得策です。
コミュニケーション能力を見るために、面接官は様々な話題や質問をケースイバイケースで行います。
それらの質問に対して建設的な答えやディスカッションができるように準備しておきましょう。
【三次面接】一般面接
中途採用の場合は三次面接が実質的に最終面接となる可能性があります。
場合によっては最終面接として4回目の面接が設定されることもありますが、ケースバイケースであるため一概には言えません。
多くの場合、三次面接や最終面接ではコンサルタントという職業に関しての理解が十分でるかどうかや、応募者と職務の現実間でギャップがあるかないかという点が見られます。
事前課題として小論文の提出を求められるケースもあり、その場合はコンサルタントという職業を選択する、あるいはした理由について述べることを求められます。
中途採用の場合、これまでのビジネス経験を新しい職場でも活かしていくことが求められます。
- これまでの職歴や活動の中でリーダーを努めた経験がどの程度あるか。
- その際にどのようなことを意識していたか。
- 役割はどのようなものだったか。
- さらには特定分野での際立った活躍や実績があるかどうか。
このような質問も面接中は行われます。
モニターデロイトが求める人材
中途採用枠でデロイト・トーマツ・コンサルティングに入社し、「モニターデロイト」ブランドで働きたいという場合は、どのような人材であることが求められるのでしょうか?
モニターデロイトの公式サイトや様々な資料を読み解いてみると、考えられる人材としては下記のような人物像になると思われます。
- モニター デロイトの理念・経営戦略を理解できる
- 他社ではなく、なぜモニター デロイトで働くのかを明確に定義できる
- 論理的に思考し、答えを導き出せる能力がある
- モニターデロイトのポリシーについて理解している、あるいは理解できる素養がある
自分の中にしっかりとモニターデロイトで働くことの意味や理由を持っている人物が求められる傾向にあります。
中途入社の方のバックグラウンドも様々です。
同業他社のコンサルティングファームや大手事業会社出身者だけでなく、官公庁、NGO、技術者・研究者、起業家・スタートアップ、VC、クリエイティブといった、多彩な経歴を持つ人々が集まっています。
さらに、モニターデロイトにおけるメンバーの特徴の1つがダイバーシティです。
現在全メンバーの約4割が女性、3割以上が外国籍のメンバーで構成され、多様性を重視した環境となっています。
モニターデロイトに転職する難易度
モニターデロイトへの転職難易度は、簡単ではありません。
新卒者の出身大学はほとんどが東大だとも言われており、いわゆる「地頭」の良い同僚やライバルがひしめく場であると考えるべきです。
国内外問わず、他の一部上場企業などから転職を狙ってくる方も多くいることが予想されますので、決して簡単に転職できる会社ではありません。
ただし、面接や採用試験の場で重視されると言われている「他者と違う特徴」を出すために、MBAやアナリスト、博士号を持っている場合は採用担当者や経営陣の目にとまる可能性は高まるかもしれません。
モニターデロイトに転職する理由
あなたがモニターデロイトに転職したいと思う理由はなんでしょうか?
デロイト・トーマツ・コンサルティングは決して勤続年数が長めの会社ではありません。
平均しても5年〜10年程度の勤続年数であることがほとんどなので、定年まで勤めるという社員はほとんどいません。
経営層に近づくにつれて役職と年収は上がっていきますが、そこに到達するまでにかかる時間を考えるとデロイト・トーマツ・コンサルティングへの入社とゴールと考えるのか、それともステップアップの途中として経験を積む場と考えるのかをはっきりさせておくべきです。
コンサルティングファームは一つのプロジェクトが長期に渡ることもあり、なおかつ仕事のボリュームも大きなものになることがあります。
体力的にも厳しいプロジェクトがあるかもしれませんし、だからこその高額報酬であるとも考えられます。
経験を積んで次に活かすためにあえてその道を選ぶのか、あるいはモニターデロイトでのキャリアを形成して経営層に近い考え方をどんどん吸収して学んでいくのか、どちらにしても、自分の目的意識を明確にしておくことが求められます。
モニターデロイトの転職まとめ
モニターデロイトへ中途採用で転職することを目指すのは簡単ではありませんが、意識を高く保てる目標です。
現実的に簡単ではない目標を実現するためにはしっかりとした準備が必要になります。
となると、やはり一人で準備するより何らかのサポートがあれば心強いですよね。
転職エージェントなどに登録してキャリア相談するのも一つの手段ですが、例えばその前に各種セミナーなどに参加してスキルアップのきっかけを得ることも有効です。
特にキャリアアップを狙う場合はこれまでの経験を上回るステージに行くことになるので、今まで得られていなかった知識や行動などを身につけていくことが必要になります。
これまで自分が持っていなかったものを身につけることを一人で実現するのは難しいもの。
もしセミナーなどでそのヒントやきっかけを得ることができれば、コンサルタントとしてのキャリアを積んできた方なら未経験者よりもステップアップするまでの時間は短縮できるでしょう。
「必要なものがないなら、必要な場所から得られるようにする」
これはコンサルタントに求められる論理的な思考の一種だと考えることもできます。
ぜひコンサルとしてのキャリアップセミナーなどの利用を検討してみてください。
コメント