コンサルタント業界は特に高学歴層を中心として、大きな人気を博している業界です。
その人気のために、就職選考は厳しい競争倍率となることも少なくありません。
通常の日系企業よりも早いスケジュールで選考が行われることも少なくないため、コンサルタント志望者はそのスケジュールに合わせて準備をしておくことが大切です。
この記事では、コンサルタント業界の就活の流れや、筆記試験や面接に向けてしておくべき対策について、詳しく紹介していきます。
「コンサルタント業界への就職を検討している」という方は、是非参考にしてください。
関連記事:コンサルタントの就活対策【業界研究をして早期内定】
コンサルタント就活の流れの特徴
まずはコンサルタント業界の一般的な就職活動の流れについて紹介します。
時期 | 段階 |
3~6月 | 合同説明会の開催 |
6月 | エントリーシートの提出 |
6~7月 | Webテスト・筆記試験
グループディスカッション 面接 |
上記はあくまでも一般的な日系コンサルティングファームの流れです。
実際には、外資系コンサルティングファームなどは3年生の夏ごろから選考をスタートさせることもあります。
日系企業の多くは経団連に所属しているため、採用活動の選考時期を守っていますが、外資系企業の場合はそうでないためです。
できるだけ優秀な人材を早く囲い込んでいきたいという思いもあり、外資系企業は大学3年生の夏ごろからすでに採用活動を始めています。
また外資系コンサルティングファームでは、上記の選考に加えて、インターンやジョブ選考が実施されることもあります。
3年生の夏に行われるサマーインターンやジョブで内定を勝ち取れるケースも少なくないため、外資系コンサルティングファームを目指す場合には、早め早めの動きが肝心です。
インターンやジョブ選考は夏だけではなく、冬や春に行われることもあります。
合同説明会 3-6月
日系ファームの場合には、採用選考が解禁される3年生の3月から、各地で合同説明会が開催されます。
「絶対にこのコンサルティングファームを受けるんだ」と心に決めている場合でも、仕事内容や条件面でのミスマッチが起きないよう、必ず説明会には参加するようにしましょう。
ブースごとに、説明会の開催時間はおよそ30分程度です。
そのため、コンサルティングファームに限らず、できるだけ多くの企業を回り、情報収集に努める学生もいます。
「この企業は〇〇だ」と先入観を持っていると、情報にバイアスがかかってしまうため、注意が必要です。
企業との出会いの第1歩ですので、できるだけフラットな心で、説明会会場に足を運ぶようにしましょう。
エントリーシート提出 6月
コンサルティングファームはそれほどエントリーシートの内容を重要視していないという情報もあります。
「学歴フィルターにのみ使われる」とも言われるほどです。
また、その情報の信ぴょう性も乏しく、学歴フィルターをかけていないコンサルティングファームも多くあります。
後述するWebテスト・筆記試験で多くの志望者がふるい落とされ、高学歴の人ばかりが生き残ることが一般的のため、その影響で「学歴フィルターがある」と言われているのが正しいと言えます。
しかし、決して疎かにしていいわけではありません。
エントリーシートに記載した内容は、その後の選考段階で聞かれることも非常に多くあるためです。
エントリーシートの設問は、「学生時代に力を入れたこと」「自分の長所」といった一般的な内容もあれば、コンサルティングファーム特有のケーススタディが出題されることもあります。
文字数の設定は少なめであることが多いので、できるだけ簡潔に、なおかつ分かりやすく書くことが大切です。
話したいことを簡潔に話すということは、コンサルタントとして仕事をしていく上でも非常に重要視されます。
Webテスト・筆記試験 6-7月
基礎能力を測るWebテストや筆記試験の形態は、コンサルティングファームによりけりです。
自宅でのWeb受験、テストセンターでの受験、会社での一斉試験など、様々な形態があります。
出題されるテストの形式は、SPIや玉手箱、GMATなど様々です。
中には、マッキンゼー・アンド・カンパニーやA.T.カーニーのように、独自でオリジナルの試験を作成しているコンサルティングファームや、英語で出題するコンサルティングファームもあります。
総じて、コンサルティングファームの筆記試験は難易度が高く、ボーダーラインが高く設定されているのが特徴です。
特に、BIG4など、いわゆる難関ファームと言われるコンサルティングファームにおいては、筆記試験の通過率が10%程度であるということも少なくありません。
正答率が9割以上にも関わらず、選考をパスできなかったという人もいます。
筆記試験をパスしないことには、その後の選考にも進むことができないため、十分に対策しておかなければなりません。
GD(グループディスカッション) 6-7月
グループディスカッションが行われるか否かは、コンサルティングファームにより異なります。
また、先に面接が行われることも少なくありません。
グループディスカッションにおいては、トークテーマが与えられて、複数の志望者でディスカッションしたり、特定のテーマについて、グループで1つの解決策を出したりする形で実施されます。
具体的なトークテーマとしては、
- 「〇社の売上を伸ばす方法を考えよ」
- 「営業利益を倍にするために▲社が実施すべき新規事業を立案せよ」
といったものがあります。
「論理性」「積極性」「コミュニケーション能力」「思考力」「協調性」など、幅広い項目が評価の対象です。
グループメンバーは全員が通過できるか、全員が不合格になるかという運命共同体であることが多いのも特徴と言えるでしょう。
コンサルタントとして就職すると、一人で仕事をする機会よりも、プロジェクトチームのメンバーとともに仕事をする機会が多くあります。
そのため、このグループディスカッションは、コンサルタントとしての適性があるか否かを評価する上で非常に重要なフェーズです。
面接(個人) 6-7月
就職選考において最も重要なのが面接です。
多くのコンサルティングファームは、特に新卒採用において「ポテンシャル採用」を謳っているため、人間性の部分を重要視しています。
そのため、個人面接でどれだけ自分の人間的魅力をアピールできるかが、採用の可否に直結していくのです。
面接は1回だけではなく、複数回実施されます。
自己PRや志望動機、入社してから思い描いている姿といったような、一般的な質問はもちろんのこと、フェルミ推定やケース面接が行われるのも、コンサルティングファームの特徴です。
フェルミ推定やケース面接は、きちんと準備していなければ、太刀打ちできるものではありません。
コンサルタントの仕事は非常に激務でストレス強度の高い仕事であるため、圧迫面接により精神的強さが試されることもあります。
日系企業であれば、複数回の面接を経て、内定を言い渡されるのが一般的です。
インターン・ジョブ本番 8-9月
外資系コンサルティングファームや戦略系コンサルティングファームでは、内定に直結するインターンやジョブ選考が行われることがあります。
1日から4日間程度、毎日学生を集め、実際のプロジェクトを体験していくというものです。
グループディスカッションやケース面接よりも、より実践的な形でコンサルタントとしての力量が評価されることになります。
レベルが高く、ついていけないこともあるかもしれませんが、参加者は総じて優秀ですし、現役コンサルタントも参加してくれることが多いので、大きな学びを得る機会でもあります。
もちろん内定がかかっているので、「どうにか良いところを見せて評価を得たい」という気持ちもあるでしょうが、仮に内定を得られなかったとしても、ビジネスパーソンとして大きく成長するための非常に貴重な体験です。
そのため、できるだけ謙虚な気持ちを持ち、「成長しに来た」「吸収しに来た」という姿勢で臨むと良いでしょう。
そういった姿勢が「成長が見込める人材である」という評価につながる可能性もあります。
冬選考
外資系コンサルティングファームは、夏だけではなく、冬や春にも選考を行うことがあります。
これは、各コンサルティングファームによりけりです。
冬選考を行うファームには、
- Strategy&
- ベイン・アンド・カンパニー
- ボストン・コンサルティング・グループ
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
などがあります。
冬選考や春選考は、日系コンサルティングファームの直前期にもあたるため、「自分の力試しをしたい」と考えている学生にもおすすめです。
もっとも、かなり優秀な人材との競争になるため、そんなに簡単に選考を突破できるわけではありませんので、しかるべき準備が必要です。
コンサルタントの就活に重要なサマーインターン
上述したように、コンサルティングファームが行うサマーインターンは、内定に直結することもあります。
ここで内定を勝ち得てしまうほど楽なことはありません。
インターン開催の2か月ほど前が応募期間となるので、興味がある方は見逃さないようにしましょう。
詳しくは、各コンサルティングファームの公式サイト等から情報を確認するようにしてください。
インターンの選考も、エントリーシートの提出から、グループディスカッション、複数回の面接という流れなので、本命が日系コンサルティングファームの場合でも、一連の流れを体験することができる非常に有益な機会です。
コンサルタントの就活の対策
コンサルタントの厳しい就職選考を突破するためには、しっかりとした対策を立てておくことが非常に重要です。
以下、それぞれのフェーズにおいて求められる対策について、詳しく解説をします。
目標であるコンサルティングファームへの就職に向け、参考にしてください。
ES(エントリーシート)対策
エントリーシートは重視されないというケースも多くあります。
しかし、会社内では資料として残るものですので、手を抜くわけにはいきません。
文章の書き方だけでも一定程度ビジネススキルは測られますから、「読まれるものだ」という意識を強くもち、内容や書き方を推敲しましょう。
また、詳しいことは面接で語るために、「余白」を残しておくことも大切です。
なるべく簡潔に、要点のみに言及するということを心がけましょう。
筆記対策
上述の通り、コンサルティングファームの筆記試験は激戦です。
どれだけグループディスカッションや面接の対策をしても、筆記試験をパスしないことには全く意味がありません。
問題の難易度が高く、また足切りラインも非常に高く設定されるため、しっかりと勉強をしておく必要があります。
ある程度、解答パターンを頭に叩き込めば、難なく対応できることも多いので、例題や過去問の反復が効果的です。
コンサルティングファームを目指す以上は、できるだけ満点に近いスコアを狙う必要があります。
解答時間が短いことも多いので、迅速に解くこと、正確に解くこと、無駄なく解くことを意識して、トレーニングを積んでおきましょう。
関連記事コンサルタント就活のWebテスト・筆記試験対策まとめ【9割が落ちる?】
GD(グループディスカッション)対策
グループディスカッションもある程度場慣れをしておかなければ、本番で思うように力を発揮できません。
そのため、できるだけ数多くグループディスカッションを経験しておくことが、最も効果的な対策法となります。
同じくコンサルタントを目指す同志や友人、先輩、現役コンサルタントなど、色々な人と練習しておくことで、自分が持っていなかった視野や考え方にも触れることができるでしょう。
また、セミナーや勉強会などに参加して、初見の人とディスカッションをするのも非常に有効です。
関連記事:GD(グループディスカッション)対策【経験を積んで苦手を克服】
面接対策
面接対策はできるだけ早い段階から始めておくことが大切です。
「まずは筆記試験を通過しなければならないから」と、面接対策はついつい後回しになりがちですが、それでは手遅れになりかねません。
特にコンサルティングファームの面接では、フェルミ推定やケース面接など、他の業界では聞かれないような難しい質問もあります。
本番でも難なく対応できるようにするためには、しっかりとトレーニングを積んでおくしか方法はありません。
早い時期から自己分析をしっかりと行ったうえで、志望動機やキャリアプランなどを整理しておき、できるだけフェルミ推定やケース面接のための対策に長い時間を充てられるようにしておきましょう。
インターン(ジョブ)対策
インターンは1日で終わることは少なく、3日から最大2週間程度行われるのが一般的です。
その期間にわたって、毎日高いパフォーマンスを発揮できるような体調管理も非常に重要になります。
体力づくりは付け焼刃の準備でどうにかなるものではありません。
最低でもインターンが開催される3か月くらい前からは、基本的生活習慣を確立し、体調を整えておく必要があります。
また、インターン中にどのようなことが行われるのか、先輩や経験者などから情報を集め、頭の中でイメージしておくことも大切です。
関連記事:ジョブ面接の対策【能力をアピールしてオファーを掴む】
Fit面接対策
ほとんどのコンサルティングファームでは行われませんが「Fit面接」と呼ばれる、ジョブ後にある「最終意思確認」のような面接を行うファームもあります。
ジョブ面接までの選考では、主にロジカルシンキングを重視して選考を行うタイプですが、Fit面接では、人柄や志望動機を聞くタイプの面接です。
通常面接とも呼ばれ、具体的には「志望度の確認」、「話をしていて魅力的な人間か」、「一緒に働きたいと思える人物か」など、本当にファームで働けるかどうか見極めるために実施します。
残念ながらこの面接で落とされる方も一定数はいらっしゃるのでしっかりと対策をしておくことが大切です。
関連記事:Fit面接の対策を紹介【ファームにマッチしてオファーを受ける】
コンサルタントの就活の流れがわかったら早めに対策
コンサルティングファームへの就職の難易度は非常に高いです。
いくら要領の良い人間であっても、直前の付け焼刃の準備だけで対応できるほど甘いものではありません。
競争相手のレベルも非常に高いため、人よりも十分な準備をしておかないと、内定を勝ち得るのは難しいでしょう。
しかし、早め早めに動きだし、対策をしておけば、十分にコンサルティングファームの内定をつかみ取るチャンスもあります。
一歩でも早い動き出しは、ライバルに差をつけるチャンスですので、できるだけ早めに対策を始めるようにしましょう。
コメント