A.T.カーニーはアメリカのシカゴに拠点を置く外資系コンサルティング会社です。
日本では東京の六本木にオフィスを設けているほか、世界40か国全部で61都市に展開しています。
Fortune500にランクインする企業の実に3分の2以上をクライアントに持つなど、業界でも顕著な実績のあるコンサルティングファームとして知られています。
この記事では、A.T.カーニーへ転職を目指す人向けに、当社の会社概要や求人、実際の面接の流れ等について、詳しく解説をします。
目次
A.T.カーニーはどんな会社?
社名 | A.T.KEARNEY |
---|---|
本社所在地 | 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー23階 |
設立 | 1972年 |
資本金 | 非公開 |
売上 | 非公開 |
従業員 | 3,600名以上 |
事業内容 |
など |
公式サイト | https://www.jp.kearney.com/ |
職種と仕事内容
A.T.カーニーは、経営コンサルティングの分野で、大きな強みを持つコンサルティングファームです。
1972年に設立された日本法人においては、金融、通信、IT、自動車、小売りなどの業界に対してコンサルティングを行っています。
A.T.カーニーでは、以下のようにその実績に応じてポジションが設けられています。
- ビジネスアナリスト
- シニアビジネスアナリスト(係長クラス)
- アソシエイト(課長代理クラス)
- マネージャー(課長クラス)
- プリンシパル(部長クラス)
- パートナー(役員クラス)
外資系コンサルタントとあって、強い成果主義の傾向が見られます。
そのため、「何もしていなくても年功序列で昇進していく」というようなことはありません。
また、成果だけではなく、昇進するためには上司に気に入られているという人間力も重視されることになります。
従業員の平均年齢
A.T.カーニーは、「Up Or Out」のルールが強くあります。
そのため、結果を出せず、昇進できないまま、若くして退職せざるを得ないケースも少なくありません。
その影響もあり、会社全体の平均年齢は30歳弱くらいと、非常に若くなっています。
実際に、「自分は昇進できない」と見切りをつけて、4年目くらいから転職活動を開始する人も多くいるようです。
労働環境
A.T.カーニーは、業界の中でも特に過酷な労働環境であると言われています。
1か月当たりの平均残業時間は、約78時間ですが、アサインされたプロジェクトによっては、月200時間を超過することもあります。
深夜残業や休日出勤は当たり前と考えておいた方が良いかもしれません。
なかなかプライベートの時間を確保することも難しいのが現状です。
しかし、他の外資系コンサルティングファームと比較すると、A.T.カーニーの福利厚生は充実しています。
- 社会保険完備
- 退職金制度
- MBA留学支援
特に、外資系コンサルティングファームは、退職金制度を設けていないことが多くあります。
その点、A.T.カーニーは退職金制度がありますので、ここは嬉しいポイントです。
英語は必要?
A.T.カーニーは、2013年に岸田雅裕が日本代表に就任すると、一気にグローバルな事業展開を図ることになりました。
そのため、選考プロセスにおいて、Versantという英語試験を受ける必要があり、特に会話やヒアリング力を大きく求められます。
グローバルな事業展開を行うクライアントの数も多く、英字の資料をもとにしてソリューションを考えなければならないケースも少なくありません。
よって、かなり高い英語力が求められると考えていいでしょう。
選考に際して、具体的にどんな資格が必要とか、TOEIC何点以上は必須という条件はありません。
日常において問題なく英語でのコミュニケーションが図れる程度には、英語力をつけておくのがおすすめです。
実際に、以下で紹介するように、求人の募集要件としても「日本語及び英語がビジネスレベル以上」として指定されています。
A.T.カーニー出身の著名人
A.T.カーニーから転職をして成功している著名人の方もたくさんいらっしゃいます。
コンサルタントの業界は、社内で活躍することも成功ですが独立や転職をして転職した先の企業を成長させる方法もあります。
- 楠雄治 – 楽天証券代表取締役執行役員最高業務執行責任者
- 塩濱剛治 – Uber日本法人代表取締役社長、ロゼッタストーン日本法人代表取締役社長
- 島田智明 – 大阪府河内長野市長
- 小松崎行彦 – 株式会社ファミリーマート 取締役 常務執行役員
- 松本恭攝 – ラクスル株式会社代表取締役社長
- 佐藤勇樹 – 株式会社リブ・コンサルティングパートナー&マネージングディレクター
- 荻原英吾 – 日清食品ホールディングス株式会社 アジア総代表
- 久保裕丈 – MUSE & Co.株式会社元代表取締役社長
- 田中俊輔 – 株式会社ワンプラスワン 取締役副社長
A.T.カーニーで働いている方の口コミ
A.T.カーニーで働いている方の口コミをご紹介します。
<仕事に関する口コミ>
1~2年目から仕事を任され、先輩がガイドをしながらではありますが、タスク設定から顧客へのプレゼンをしました。
先輩がついてくれているとはいえすぐに現場で働くことに責任は感じますが、かなりの達成感を得ることができます。
自分の仕事に対して先輩がサポートをしてくれフィードバックを受けることができるのでアグレッシブなチャレンジをすることができます。
ただし、それ相応の仕事をしないとタスクフルになってしまうので効率よく働く必要があります。
<休暇に関する口コミ>
プロジェクトに参画している間はかなり休暇が取りにくいです。休日出勤はほぼないものの、個人差があると言えます。
ただし、プロジェクトとプロジェクトの間ではかなり休暇が取りやすく会社もそれを推奨しています。1週間以上の長期休暇をとることもできるので海外旅行にいく方もちらほらいます。
そのほかにも、結果が出ている方はあまり細かく言われないので、在宅で仕事をしたり他の場所で仕事をしていることもあります。
<給料に関する口コミ>
入社して3年ほどで年収1000万円程度に到達します。同年代と比較してもかなり収入面は高いと言えます。
パートナーになると5000万円を超える方もいるようで、羽振りが良かった記憶があります。
ただ、社員に共通して言えますが、仕事が忙しいので使うところがなかなかありません。
A.T.カーニーの平均年収
A.T.カーニーは外資系企業のため、初年度からかなり高い年収を見込めます。
学部卒の新卒者でも、その年収はベースで600万円。
さらにそこに会社の業績や個人の成果に応じて、ボーナスが加算されます。
基本的には、役職に応じて年収は決定されます。
それぞれの役職ごとの平均年収は、以下の通りです。
役職 | 平均年収(ベース) |
ビジネスアナリスト | 600万円 |
シニアビジネスアナリスト | 700万円 |
アソシエイト | 1200万円 |
マネージャー | 1600万円 |
プリンシパル | 2000万円 |
パートナー | 4000万円 |
上記のベースの金額に加えて、ボーナスが加算された額が実際の年収です。
ボーナスの割合は、ポジションが上がるごとに、どんどん数値も大きくなっていくという特徴があります。
年収が1000万円を突破するためには、アソシエイト以上の役職に就く必要があります。
順調に出世した場合、最速でアソシエイトになれるのは6年目あたりです。
昇進の可否は非常にシビアに判断されるため、一生アソシエイトになれない人も多数います。
全体的な平均年収は、およそ890万円です。
A.T.カーニーの求人情報
A.T.カーニーでは、どのような求人があるのか、また必要な学歴、採用人数について紹介します。
公開求人はある?
A.T.カーニーには、中途採用、MBA採用、第二新卒採用の3つの公開求人があります。
それぞれ、経営戦略コンサルタントとしての募集で、要件は以下の通りです。
求人 | ポジション | 募集要件 |
中途採用 | シニアビジネスアナリスト
アソシエイト |
大卒以上かつ実務経験3年以上
日本語及び英語がビジネスレベル以上 |
MBA採用 | アソシエイト | 国内/国外大学のMBAコース・修士課程・博士課程の最終学年に在学中で入学前に3年程度以上の実務経験がある
日本語及び英語がビジネスレベル以上 |
第二新卒採用 | アソシエイト | 大卒以上かつ実務経験3年未満
日本語及び英語がビジネスレベル以上 |
中途採用者は、これまでの経歴や選考プロセスを経て、シニアビジネスアナリストかアソインターネットナショナルのどちらでの採用となるか、決定されます。
採用大学実績
A.T.カーニーは結果至上主義なので、学歴により人材を選別することはありません。
しかし、内定者が結果的に高学歴だったということは多くあります。
具体的には、には、以下のような大学の出身者が、A.T.カーニーの内定を勝ち取るケースが多いようです。
- 東京大学
- 京都大学
- 早稲田大学
- 慶応義塾大学
- 上智大学
やはり、最難関と言われるような大学が中心です。
しかし、上記以外の大学の出身者もいないわけではありません。
大切なのは、個々人の実力です。
選考プロセスを通じて、実力がある人材であると見込まれた場合には、内定に近づくことができます。
採用人数
A.T.カーニーは採用人数を具体的に提示していません。
そのため、年によって採用人数は大きく異なります。
一般的には、10人程度であることが多く、かなり「狭き門」と言えるでしょう。
なお、新卒者のうち、10年後にも会社に残っているのは、わずか1割と言われています。
実際、新卒者の30%は半年以内にOUTを告げられるようです。
そのため、従業員の中心は中途採用者です。
かなり人員の流動性が高いことも、A.T.カーニーの特徴の1つと言えるでしょう。
A.T.カーニー入社はどんな面接をするの?
A.T.カーニーに就職するためには、厳しい面接試験をパスしなければなりません。
具体的にどのようなことが実勢の面接試験で問われるのか、解説していきます。
ケースインタビュー
どのコンサルティングファームを志望する際も、ケースインタビューは避けて通れません。
の採用面接においても、必ずケースインタビューは実施されます。
結果至上主義を貫くA.T.カーニーにおいては、ケースインタビューにおいて、どれだけ論理的かつ分かりやすいソリューションを提案できるかが評価を大きく左右することになります。
具体的には、始めにケースインタビューのテーマが提示され、それについて10分ほど思考し、考えをまとめた上で、面接官の前で発表するという形式です。
その後は、面接官からの質問を受け、ディスカッションするという流れで面接は進行していきます。
ケースインタビューにおいては、特に以下のポイントに注意しましょう。
- 論理的にアプローチする
- トップダウンで考える
- 仮説を立てる
- コミュニケーションを取る
- 限界を知る
- クリエイティブに考える
- ブレインストーミングする
- CEOまたは株主の視点を取り入れる
- 正しいシグナルを送る
上記9項目は、A.T.カーニーのサイトにおいて具体的に明記されています。
また、ケースインタビュー終了後には、面接官からフィードバックを受けますので、次回の面接時には、そのフィードバックを実際に還元することも大切です。
ケースインタビューの例
<データを読み取り面接官とディスカッション>
与えられたデータの読み取り、問題点の指摘、解決策の提示とディスカッションします。
一通りの情報は与えられるものの、限られた時間を元に根拠のある解決策を提示する必要があります。
どちらかというとスピードよりも、内容重視なので深く考えて受け応えましょう。
<ある市場の推定>
ある市場の推定を行います。市場を推定し問題点や今後おこるであろう展望などを予測します。
口コミによるとA.T.カーニーが参画している業界のことも出題されるので企業研究も行う必要があります。
ビヘイビアー面接
A.T.カーニーの面接において、最も大きな比重を占めるのがケースインタビューです。
しかし、それだけではなく、これまでの経歴についての質問も行われます。
いわゆるビヘイビアー面接です。
具体的な内容は、自己紹介や過去の仕事で苦労したことについてです。
特に、過去に苦労したことについては、かなり深掘りして聞かれたという情報もあります。
とにかく、「なぜ?」「その原因は?」といったように、ある事象の裏にある背景を聞かれたそうです。
連続して根掘り葉掘り聞かれると、精神的には「まだ終わらないの?」と感じるところです。
しかし、しっかりと落ち着いて対応できているか否かで、精神的なタフさも図られています。
また、表面的な事実だけには注目せず、その裏に何があり、どんなアプローチが有効なのか、ということを常に考えながら、面接の質問に回答していく必要があるでしょう。
ビヘイビアー面接の例
<過去に行った活動について>
過去に行った活動をどのように行ったのか、どのように成功に導いたか、今その活動を行うならどの部分を改善してよりよくしていくかを聞かれます。
プロジェクトやサークル活動やなどでリーダーシップを発揮したり、ハードワークをした経験を話しましょう。
<なぜそのエピソードを選んだのか>
エピソードを話しある程度質問が終わった後になぜそのエピソードを選んだのかを問われる場合があります。
その他にも用意していたエピソードを端的に話した上で、話したエピソードを選んだ理由を答えましょう。
A.T.カーニーを志望する理由
A.T.カーニーとしても、最も欲しいのは「A.T.カーニーで本気で仕事をしたい」と思っている人材です。
そのため、面接を通じて、「なぜA.T.カーニーを志望するのか」というところは、必ず問われます。
ごく一般的な質問ですが、やはり「コンサルタントでなければならない」「A.T.カーニーでなければならない」理由を述べられるようにしたいところです。
また、激務でなかなかワークライフバランスを実現するのが難しいという特徴もあります。
そんな状況にあっても、しっかりと活躍できるだけのタフネスがあるか、という点もアピールしておくことが重要です。
A.T.カーニーが求める人材
A.T.カーニーで求められるのは、課題を解決させるために、クライアントを動かすことができる人材です。
知識が豊富で、正しい道筋を示せるのは、コンサルタントとして最低限の条件です。
加えて、クライアントの悩みに共感できる人間性も求められます。
強引に「これが正しいやり方だから、この通りやってください」とクライアントに強いるようなコンサルタントは、A.T.カーニーの求める人材ではありません。
卓越したコミュニケーションスキルを有し、クライアントと一緒になって課題を乗り越えていける人材こそ、A.T.カーニーが求めている人材なのです。
そのため、面接においては、頭の回転の速さや説得力はもちろんのこと、クライアントに共感できる人間性もアピールしていく必要があります。
A.T.カーニーに転職する難易度
A.T.カーニーは、戦略コンサルティング業界においても、圧倒的な知名度と実績のある企業です。
そのため、転職するのは容易ではありません。
むしろ、業界においても最高難易度であるとも言えるでしょう。
また、近年は選考プロセスにおいて、英語試験も導入されています。
募集要項には「英語はビジネスレベル以上を有する」ことが条件とされているため、かなり高いレベルを要求されると考えられます。
コンサルティング業界は人手不足の状況が続いていますが、それでもA.T.カーニーに転職するのは、険しい道のりと言わざるを得ません。
A.T.カーニーに転職する理由
A.T.カーニーに転職を希望する大きな理由は、以下の2つが考えられるでしょう。
- 高給取りになりたい
- 自分自身を成長させたい
確かに、給料はかなり高く設定されています。
しかし、そのような動機で転職を成功させても、在職し続けるのは難しいでしょう。
というのは、この記事でも説明をしてきたように、厳格なUp Or Outのルールがあるためです。
成果を残せなければ、入社後すぐにOutを言い渡されるケースも少なくありません。
一方で、今後のキャリア形成のために、自分自身を成長させたいという理由を持っている人は、A.T.カーニーが最適な転職先の候補となるでしょう。
徹底的な成果主義のもとでは、必然的に結果を出すための最短ルートを歩むことを求められるためです。
案件に携わる中で、必然的に無駄を削ぎ落とし、結果に直結する判断力や実行力を身につけることができるはずです。
実際に顕著な成果を収めれば、昇進の道も、ヘッドハンティングの可能性もあります。
また、磨いたビジネススキルを活かして、独立起業するという道もあるでしょう。
転職市場においても「A.T.カーニーで仕事をしていた」ということは、大きな加点材料となります。
A.T.カーニーに就職することになれば、待っているのは激務の日々で、ワークライフバランスを充実させることは難しいかもしれません。
しかし、だからこそ、仕事にコミットして、自分のビジネススキルが短期間で飛躍的に成長することが期待されます。
A.T.カーニーの転職まとめ
A.T.カーニーに転職するためには、厳しい面接を通貨する必要があります。
その面接の大半は、ケースインタビューが占めます。
ケースインタビューは面接官とのディスカッションを通じて進行していくので、一人で対策をしようとしても、限界があると言わざるを得ません。
そのため、自分一人での準備だと、A.T.カーニーへの転職を勝ち取る可能性は低くなります。
しかし、セミナーを受講して、ポイントを踏まえた対策をできれば、一気に転職の可能性は高まります。
自分一人では対策が難しい点も、セミナーを受講すれば、問題なくカバーできるでしょう。
本気でA.T.カーニーへの転職を志している方には、セミナーの受講をおすすめします。
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