コンサルティングファームへの転職を考えている中で、アーサー・D・リトルは超老舗企業ということもあり興味を持つ方も多いでしょう。
アーサー・D・リトルは公開求人が少なく、採用活動も大々的には行なっていないことから情報がなかなか集まらない、入社までのプロセスを知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで当記事ではアーサー・D・リトルへの転職情報として、業務内容・年収・残業時間などの企業情報や転職面接の内容などをご紹介します。
目次
アーサー・D・リトルはどんな会社?
社名 | アーサー・D・リトル(ジャパン)株式会社 |
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本社所在地 | 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター33F |
設立 | 1978年 |
資本金 | 非公開 |
売上 | 非公開 |
従業員 | 非公開 |
事業内容 |
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公式サイト | http://www.adlittle.jp/ja |
職種と仕事内容
プロジェクトの統括責任者です。顧客のビジネスパートナーとしてアーサーDリトルが提供できる価値を最大限発揮し、顧客のビジネスを支え、成長を押し上げる役割を担います。
また自身が担当する領域の新規、及び継続でのプロジェクト獲得に関する責任を持ちます。
クライアントの経営層とコミュニケーションをとり課題提起や提案を行なって案件化するなど領域に対しての高い知見とアーサーDリトルの提供価値について深い理解を求められます。
それに伴い、提供できる価値を高める、時流にあったソリューションの質向上など、企業としての成長にも寄与します。
プロジェクトの運営責任者です。
アーサーDリトルが価値を提供する領域のいずれか1つ以上の専門家であることが求められます。
主に大規模なプロジェクトを担うことが多く、クライアントとの折衝を行いながらプロジェクト全体の方向性や計画策定、予算配分を行います。
また運営のみに限らず、コンサルティングの新規手法の開発を行い、プロジェクトレベルで企業価値の向上を担います。
プロジェクトの運営責任者です。
プリンシパルに比べて担当するプロジェクトの重要性や規模が異なりますが、プロジェクトに対し同じく責任を担います。方向性や計画策定を行いながらプロジェクトの進捗を管理し、現場レベルでチームの役割やメンバーの指導、目標の明確化などを行います。
実際のコンサルティング業務をメインで担うメンバーです。
マネジャーが決めたプロジェクトのゴールに向けてクライアントとの折衝や課題抽出、解決策の構築や提言をまとめたりします。提言をまとめてプレゼンを行いますが、それだけにとどまらず、タスクの明確化や感ついするためのサポートやアドバイスまで担当します。
また、小規模なプロジェクトであればコンサルタントが運営責任を担うこともありマネジャーと同じように計画策定や目標の明確化、現場への指示・指導を行います。
プロジェクトチームのメンバーとしてコンサルタントのサポートを行います。コンサルタントが立てた仮説の正誤を検証することが求められ、実務内容としては、コンサルタントやチームとして必要な情報の整理やデータの収集、分析を行い資料にまとめます。
フラットな視点での分析能力と、クライアントの課題やプロジェクトの目的を理解した上で進行にあたりコアとなる事実を提起する能力が求められます。
従業員の平均年齢
アーサーDリトルの平均年齢は非公開となっています。
複数の口コミサイトを見ると、日本支社の在籍人数はおよそ80名で、平均年齢は30代後半〜40代前半です。
コンサル業界としては比較的勤続年数が長い傾向があり、長期での社員育成にも力を入れていることからコンサル業界としては平均年齢は高めです。
コンサル業界でよくきくUP or OUTという役職が上がらないのであれば退職するという考え方はそこまで強くなく、同じポジションにとどまって経験を積むことを是とする社風も影響を与えているかもしれません。
労働環境
アーサー・D・リトルは他のコンサルティングファームの例に漏れず、労働時間が長く業務量が多い傾向があります。
複数の口コミサイトから、平均残業時間は90時間/月程度と推測されます。
有給消化率は50%ほどとなっていますが、近年は有給取得が奨励されており消化率50%を切る社員に積極的に取得を促すなど改善傾向にあります。
また、業務量による点が大きく、プロジェクトとプロジェクトの合間の期間などでは1ヶ月近い長期の休暇をとるコンサルタントも珍しくありません。
アーサー・D・リトルでは社員の家庭とキャリアの両立支援にも力を入れており、配偶者が妊娠出産の際には夫が1ヶ月の育児休業を取得することが慣例化されています。
子どものいる社員の中には時短勤務を行い、フレキシブルな働き方を行う方もいて業務管理ができていれば社員同士サポートし合う風土が出来上がっています。
英語は必要?
アーサー・D・リトルでは、入社時に英語力についての試験や英語での面接が求められることはありません。
本社がアメリカにあり、幅広い国籍の社員が働いていますが、日本支社での業務にあたっては、国内のクライアントが多く英語を頻繁に使うシーンも少ないです。
しかし、グローバルなプロジェクトにアサインされることもあるため、英語に対して拒絶反応を示す方には厳しい環境でしょう。
もしMBAの取得を目指す、日本国外の支社への転勤を目指すという方にはもちろんビジネスレベルでの英語力を求められるので、転職時には関係ありませんができるに越したことはありません。
アーサー・D・リトルの平均年収
アーサーDリトルの平均年収は口コミサイトなどを見るとおよそ700〜850万円程度です。
年収のミニマムは600万円ほどで、新卒で入社した1年目の年収がボーナス込みで600万円ほどのようです。
コンサル業界としては新卒で500万円ほどが平均ともいわれているため、比較的下限年収は高く設定されているようです。
一方で、マックスの年収はメンバーやマネージャーレベルで2000万円程度です。
パートナーレベルの役職者の年収はデータが見つかりませんでしたが、コンサルタントやマネジャーの求人の上限に2000万円と記載がありました。
本社をアメリカに置く外資系企業ではありますが、平均年収の水準が高いコンサル業界の中では特に目立つほど年収が高い会社ではありません。
アーサー・D・リトルの求人情報
アーサー・D・リトルの求人情報をご紹介します。
公開求人はある?
アーサー・D・リトルでは通年中途採用を行なっています。
企業サイトから応募することが可能で、基本的には全職種募集を行なっています。
しかし、アーサー・D・リトルでは、担当領域ごと、部門ごとに人員計画を行なっているので、応募のタイミングで必ずしも募集枠が空いているわけではありません。
日本支社は全体で80名ほどで、少数精鋭の人員体制となっているため大々的に募集を行うことは珍しく、募集を行う際にも転職サイトでの募集よりもヘッドハンターやエージェントを通じてのクローズドな採用を行なっています。
過去の募集実績としては、エージェントを通じて経営戦略コンサルタント、メディカル領域の専門コンサルタントの募集がありました。
このことから特定の領域で人員に空きができ、その都度部門ごとで採用計画をたてていることがわかります。
転職を考えるのであれば、アーサー・D・リトルの社内状況、人員状況の情報を仕入れてから応募する必要があります。
中途入社では、コンサルティングファームで経験がありある領域に精通している人員であればコンサルタントから、経験が浅く若手での入社であればビジネスアナリストとしての入社が一般的なようです。
採用大学実績
アーサー・D・リトルでは、大学卒業が条件となっていますが、出身の学部学科は問いません。
実際に幅広い大学から入社実績があり文系理系も問いません。
一方で、アーサー・D・リトルの社風として、理系の研究室のようとも表現されており、実際に理系大学院出身者も多く在籍しています。
他のコンサルティングファームに比べてバイタリティ溢れるタイプの人よりは、研究者タイプの淡々と業務に取り組む人間が多く、年齢や役職に左右されずフラットな関係性を築いているようです。
採用人数
アーサー・D・リトルの日本支社は全体で80名ほどで、社員の内訳は3:7の比率で新卒入社より中途入社の割合が大きい組織です。
少数精鋭の組織体制を維持しているので、オープンに採用活動を行うことは少なく、新卒に向けた企業説明会などもあまり頻繁には開かれていません。
アーサー・D・リトルの中途採用はどんな面接をするの?
アーサー・D・リトルを中途で受ける際の面接例を紹介します。
基本的には面接試験中心
アーサー・D・リトルの中途採用では、書類選考後は基本的に面接試験が複数回繰り返されます。
面接回数は3〜5回と人や配属先によって変わります。
面接担当者は、現場の人間やプロジェクトのリーダー、人事担当や統括責任者、日本支社長など幅広く、会う人数も多い傾向があります。
一回の面接で複数人出てくることもあれば1対1の面接もあり、面接時間も担当者によるところが大きく、一概にこうした面接を行う、という決まった形はありません。
過去に面接を受けた方の口コミでは、志望動機や転職理由などの基本的な項目と後述するケース面接、フェルミ推定などを通して、ロジカルに物事を考えられる力があるかなどをチェックする内容が多いようです。
複数回にわたるケーススタディ
アーサー・D・リトルでは、ケース面接が他のコンサルティングファームに比べて多く出される傾向があります。
他のコンサルティングファームでは1回だけのことが多いですが、2〜3回ケース面接が行われたこともあったようです。
ケース面接では、求職者の前職や大学時代の研究領域などに関する質問が出されることが多く、質問内容は面接官が会話の流れなどからその場で出します。
ケース面接を重要視していることは企業サイトからもわかります。
企業サイトに面接のヒントという項目ページがあり、どういった点をチェックしているかを公表していますので確認してから面接に挑むようにしましょう。
- ケース面接を理解しているか
- 面接官の発言を注意深く聞いているか
- 論理的に構築し説明する力があるか
- その思考の過程を言語化することができているか
- 最初の質問に答えているか
- 面接時や説明時の振る舞いはコンサルタントとして信頼しうるものか
といった点を重視している旨が伝えられています。
徹底的な深堀
複数回行われる面接を通じて聞かれる内容として、志望理由や入社することでアーサー・D・リトルにどんなメリットがるか、という質問があります。
数多あるコンサルティングファームの中で、企業の提供価値や特色を出すことが難しくなってきている中、なぜアーサー・D・リトルなのか、徹底的に深堀して一貫性がある回答が求められます。
特に社長や経営層との最終面接では細かく深堀されるため、納得度が高く深堀されても困らない準備が必要です。
アーサー・D・リトルが求める人材
アーサー・D・リトルが求めるのは、論理性や自ら思考する力があるか、業務遂行能力はあるか、特定領域に対する専門的な知識や経験を有しているかという実務的な能力を備えている人材です。
そして、それ以上に、前例主義に陥らず最適解を出すためにクリエイティブな思考ができ、積極的にアイデアを発信・実行する力、専門領域が異なるメンバーを巻き込み効率的に仕事を進める能力、継続して学び続けるといった人間性や人間力を重要視しています。
コンサルティングファームなので業務実績で評価されますが、そのプロセスであるコミュニケーションやメンバー間で信頼を得られるか、チームメンバーにいい影響を与えることができるかといった人物面で優れた人物が求められています。
これは少数精鋭のチーム体制で仕事を行うアーサー・D・リトルならではの特色で、UP or OUTが当たり前のコンサルティングファームの中では比較的珍しい体質かもしれません。
アーサー・D・リトルに転職する難易度
アーサー・D・リトルへの転職難易度は高いです。
理由としては
- 組織体制として少数精鋭で運営を行なっており募集枠自体が少ないこと
- 中途入社では何かしらの領域で専門性を発揮しうる知識・経験が求められる
ことの2点です。
能力が高くとも、プロジェクト状況や志望領域により空き枠があるか、新規人員を受け入れる土壌があるかというタイミングの要素が強く影響を与えます。
もし若手で教育が必要な人材であれば尚更採用されるのは難しくなるでしょう。
中途入社では前職や特定の領域に対してプロフェッショナルとしての知見が求められます。
その上で他領域のメンバーと協力・連携しプロジェクトを進めていく能力が必要になり、入社のハードルは非常に高くなります。
アーサー・D・リトルに転職する理由
アーサー・D・リトルに転職するコンサルタントは大きく2つのパターンがいます。
- 自身の年収増加やキャリアゴールとして環境面で選ぶパターン
- 製造業やメーカー業界を中心に起業や経営に参画を考えているパターン
です。
アーサー・D・リトルは他のコンサルティングファームに比べ平均年齢が長く勤続年数も長い傾向があり、またある一定の役職にならないならば退職、といった企業文化もありません。
そのため、年収の増加を目指してコンサルティングファームへの転職を考える方、コンサルティングファームの中でも比較的長く働ける企業を探している方が転職するケースです。
もう一つは、製造業やメーカー業界などをはじめとする分野で起業や転職を考えている方です。
アーサー・D・リトルは世界最古のコンサルティングファームとして、日本でも古くから製造業やメーカーに対してのコンサルティングを行なってきました。
その蓄積された膨大な知見を身に付け、さらに精通することで自らがその業界で起業や、事業会社の経営に参画することを目指すパターンです。
アーサー・D・リトルの転職まとめ
ここまでアーサー・D・リトルの企業概要や社内体制、転職時の面接内容などについて紹介してきました。
老舗コンサルティングファームとして蓄積された知見があるなどの魅力がありますが、アメリカ資本で少数精鋭、大々的に採用活動を行なっていないことから公開されている情報量が少なく、転職難易度がかなり高いことでも有名です。
働きながら効率的に情報を集めて転職準備をするにはかなりの時間と労力を要することが想像されます。
もしアーサー・D・リトルへの転職を考えるのであれば、一度セミナーを受けて効率的で効果的な準備を行なってから転職活動に挑むことをおすすめします。
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